第一章
1日目
2018年3月某日。
全てはここ。用賀インター近くのローソン 世田谷瀬田五丁目店から始まった。
卒業旅行にヒッチハイクを決行すると心に決めた私はまず最初に、
ヒッチハイクのいろはを学ぼうとヒッチハイクの必需品やらおすすめスポットなど
様々なアドバイスの書かれた体験者のサイトをググりまくった。
そこで出発地点として選んだのがこのローソンだった。
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すぐ先にあるマクドナルドもおすすめとして挙がっていたが、
このローソンは、高速に入る最後のコンビニであり、
多くの高速ドライバーはこのローソンに立ち寄るとの情報を頼りにここを選んだ。
平日の昼下がり。12時25分開始
100円ショップで買ったでかめのスケッチブックをバックパックから恐る恐る取り出し、
まずは高速へ入るべくSA(サービスエリア)と書いて決行した。
ググった体験者のサイトには、開始数分でヒットしていきなり目的地までゴールしたなど
綺麗ごとが多く述べられており、
いったい自分も同様にできるのか?
それとも、ただただ惨めな思いだけして馬鹿にされて終わるのか??
とにかく不安だらけだった。
不安的中。
ぜんっーーーーんぜんダメだった。
ドライバーや助手席からは指で指され笑われたり、写真を撮られまくった。
それでもあきらめることなく、車が通るたびに慣れない笑顔を向けていた。
開始から約1時間。
気づけば地面に対し垂直方向にいた太陽は
首を曲げずに見える位置まで移動していた。
照りわたる日差しが不快になり始め、日焼けを気にしだしたその時!
「何してんの?学生さん?」
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2章
「何してんの?学生さん?」
13時20分。
コンビニから出てきた一人の男性が話しかけてきた。
自分:「ヒッチハイクをしてまして。。大学生です。」
男:「SAってどこまで?」
自分:「いや、特に決めてなくて、とりあえず高速に入りたいなと思って。」
男:「学生ね。海老名までなら行くけど」
自分:「いいんですか!?」
男:「ここ(ローソン)じゃなくて、マクドナルドに車止めてるからそこまで来てくれるなら」
自分:「お願いします!!」
本当にうれしかった。何度もあきらめかけ帰ろうかと思った矢先に神の救いを得た私は
体中のアドレナリンが爆発していた。
男:「ちょっと片付けるから待ってて」
駐車場にたどりつき、助手席のドアの前に立っていると、
自分:「んっ」
自分:「左ハンドルだ!」
テンションがさらにバク上がりでおかしくなっていた。
軽い自己紹介を済ませ乗車
50代前後の男性で、父が亡くなったことをきっかけに、
航空会社地上職勤務から不動産の自営業に転職。
普段から小田原-深沢間を行き来する生活。
エンジンをかけるとステレオからクラシックが流れ出した。
車内はタバコ臭くなく、ドライビンググローブをつけて、
左ハンドルのアメ車(キャデラック)を優雅に走らせていた。
ローソンのATMでお金を下ろそうとしたところ、
駐車場がいっぱいでマックに車を止めて、歩いてここまで来たんだとか。
車で通りすぎた時に自分を見かけ、お金をおろした後もまだ立っていたので、
慈悲の念から声をかけてくれたとのこと。
男:「たまに学生は乗せるんだ。歳いってると抵抗あるけど、日本は安全だし学生ならね。
シアトル勤務の時は結構あっちの学生でヒッチハイクしてる人見かけたけど、
日本はそんなにいない。いい挑戦だと思うよ。憧れるよ。今しかできないもん。」
14:00 海老名サービスエリア着(乗車距離約32キロ)
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男:「じゃあ、幸運を祈るよ」
握手を交わし写真を撮った。
写真が欲しいといわれ、LINEも交換した。
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こうして記念すべき一人目との出会いを終えた。
なせば成るものだなとしみじみ感じた。
ついさっきまで心を折れまくっていた自分はどこへやら。
とにかく自信にあふれだし、トイレ休憩を済ませ、すぐに再開。
とりあえず西の方角へ進もうと決めた。
「また1時間くらいかかるのかな~」と思った開始わずか10分弱。
同世代くらいの若い男が近づいてきた。
男「めっちゃ狭いけど乗ります?」
2組目
14時27分 海老名SA出発。
「ウェーーイ」
車(フリード)に向かうと、同世代の男5人がぎゃんぎゃん騒ぎながら歓迎してくれた。
男たち:「YouTuber?YouTuber?」
千葉の大学生5人組。全員居酒屋のバイト仲間で自分と同じく卒業旅行中だった。
男たち:「大学どこ?野球やってるんだけど、スポーツ何やってる?
好きなミュージシャンは?」
自分:「いや、、、特に。。。。。。。」
ここで、重要な問題を忘れていたことに気がついた。
「自分、コミュ力ないやん。。。」
そもそもこの手のウェイウェイ系の連中とは馬が合わなく、
普段から距離をとっているタイプだ。
そんな奴がこの激セマな空間にいることは地獄以外何物でもない。
相手は疑問文でいろいろ話を振ってくれてはいるものの、自分の拒絶反応が伝わり、
会話も盛り上がらず、車内のテンションはとんでもなくなっていった。
男:「じゃあ、次のSAでいい?」
課題を感じる結末を迎えた。
そもそもただ乗りさせてもらう身にもかかわらず、相手を褒め称えることはしない。
話を振ってもらってもそれに応えない。
そりゃ相手の気分もよくないのは、当然のことだが、
それに一切対応できなかった。
自分の不甲斐なさや実力を思い知らされ、なぜぼっちなのかを悟った。
15:00前後 足柄SA着(乗車距離約50キロ)
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とりあえず駐車場で写真を撮って別れた。
15時17分足柄SA開始
気持ちを切り替え、失敗を繰り返さぬよう、
社内での会話ネタや聞かれると思われるクエスチョンの返答などを
頭とiPhoneのメモ帳に入れ、再びヒッチハイクを始めた。
約10分経過すると一台の軽が自分の前に止った。
中には2人のギャルが乗っており、
ドライバーが親指で合図を送ってきた。
いうまでもなく生まれてこのかた、この手のタイプと接点を持たなかった私は
揶揄われているのかと思い、一瞬目をそらした。
すると助手席の窓が開き、
女「乗らないの?」
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3組目
15:27足柄SA出発
女「乗らないの?」
自分「えっ、いいの!?」
恥ずかしくも食い気味に答えた気がした。
約10分でまたしてもヒット。
16時28分
先ほどの大学生たちの時のように気まずくならないかめちゃくちゃ不安だったが、
自分を磨く良いチャンスだと思い後部座席に乗り込んだ。
ギャル:お兄さんいくつ?
舐められぬよう、フランクに、かつ、女性慣れしている雰囲気を出さねばと思い、
0コンマ数秒でたどり着いた私の究極の返答は、
自分:23!(ため口)
自分と同い年で社会人1年目、明星大出身のギャルだった。
自分:「就職してんの?」
ギャル:「しちまったなぁ~」
どちらも営業で片方は風力系製品の会社に勤務。車内から見えた風車に反応していた。
乃木坂のインフルエンサーをBGMに、ポケモンの名前で山手線ゲームを
マニュアルゴールドのギャルによる140km/hのドライブで行うのは、後にも先にも
ヒッチハイクでなければ体験できなかっただろうと心から思っている。
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互いの類似性が千葉の5人よりもあったのか?それとも、ただ単にギャル2人が
気を使ってくれたのかはわからないが、不思議なことに2台目に比べ、
気まずい空気にはならなかった。
iPhoneのメモ帳に作成した会話の方程式はギャルたちにはほとんど成立しなかったものの、
会話が途切れることはあまりなく、楽しい時間が過ぎていった。
17:47 牧之原SA着(乗車距離約113キロ)
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最後に家から持ってきたレッドブルを今日が誕生日だというギャルにあげた。
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17:51牧之原SA開始
結構進めたものの、時間も時間で暗くなってきた。昼間の気温はどこえやら。
マフラーをつけてのヒッチハイクとなった。ノープランのため、
もちろん止る場所など決めていない。
なるべく早く大きめのSAに行きたいと思っていたら、
数十メートル先の助手席から男が話しかけてくる。
男:「何してんですか?」
暗くて顔が見えないが、チャンスと思い、走って近づく。
男:「どこ行くんすか?」
自分:「決めてないんすよ。乗せてくれます?」
男:「自分たち、静岡なんで、もう下に降りちゃいますけど」
4組目
18:10牧之原SA出発
赤いハチロクに乗った静岡の高3男子3人組。
卒業式を終えたばかりで思い出作りに廃墟巡りに向かう途中だった。
バイト代と親に借りたお金で86を買っている18才。ブリジストンに就職が決まり、
心から嬉しそうな18才。地方生活における車の需要や必要性の生の声を聞くことが出来た。
静岡といったらハンバーグの「さわやか」の印象が特に強く、その旨を伝えたところ、
ノリで食べに行こうとなり、4人で虎舞竜のロードを車内で熱唱しながら
浜松市篠ケ瀬町のさわやかにたどり着いた。
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激混みで1時間以上待ち。
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3人:「あの定員は焼きが甘く、半ナマだ。」などいろいろあったが、
ビックボーイよりは美味かったし、オニオンスープを奢ってくれたので
個人的には満足だった。
そのままノリで廃墟巡りにも同行。
それっぽいところは見つけられたものの、
場所がよく分からず、途中であきらめた。
どこに泊まるか相談したところ、カラオケや満喫などを
スマホで探してくれてよさげなカラオケの駐車場まで送ってくれた。
86に男4人というフリード以上の激セマだったが、最高の時間だった。
初めて会った5つ年下の高校生の車に乗り、ハンバーグを食べ、オニオンスープを奢ってもらい、
廃墟巡りに同行することは、ギャルとのドライブには負けるが、
キャデラックに乗れた時の感動がかすむくらい記憶に残っている。
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続く
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卒業旅行に一人ヒッチハイクとやらをした話② (用賀〜静岡〜広島)
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