2日目。
カラオケのフリータイムの終わった早朝4,5時。
行き場がなくなり、とりあえず外に出ることに。空はまだ暗く、とにかく寒い。
ファミレスで時間をつぶそうと思っても、地方ゆえ24時間営業でないので入れない。
どうすることもできず、ヒッチハイクを再開しようと、まずは近くの高速に向かうため3時間歩き続けた。
足が棒になり朝から疲労困憊になるも、何もない田舎の景色は無心になれて、
決して苦ではなかった。徐々に空は明るくなり、庭の草むしりをしているお年寄りや、
部活の朝練にチャリで向かう学生、ランドセルの子供たちを見かけると、
今日も地球は動いているんだなと、家に引きこもっていては思いもしない気持ちになれた。
7:41 三方原PA ヒッキング再開
![]()
裏口からPAに入り、朝食にクリームパンを頬張り、ヒッチハイクを再開した。
![]()
PAはSAに比べ、利用者数が少ないこともあり、なかなかヒットできなかった。
次第に雨も降りだし1時間以上が経過。
男:「1つ隣のSAまでですけど乗ります?
そっちの方がつかまるんじゃないかな?ここより大きいし。」
5組目
8:58 三方原PA出発
40代前後の男2人、女1人の3人組が乗せてくれた。
自分:「どこに向かうんですか?」
3人:「これから接待ゴルフなんだけど、雨で中止になれーって思ってんだよね~」
乗車時間10分弱で到着。ほとんど会話する時間がなかったため、
あまり覚えてないのだが、雨の中救ってくれた御三方のことは忘れるまで忘れない。
9:07 浜名湖SA着。(乗車距離約13キロ)
![]()
![]()
![]()
若干の雨宿りを経て、すぐにヒッチハイクを再開した。
空は晴れ渡り、接待ゴルフの決行は確実だろうなと余計な心配をしていたら、
10:20一台の車が前に止った。
母娘の親子っぽく、助手席の娘は卵サンドを抱えていた。
母娘:「豊川までならいいんだけど、もう(下道)下りちゃうの~。頑張って!」
普通、乗せれないのにわざわざ車を止めて、話しかけてくるだろうか?
こんな優しく人の良い親子がいることに感動した。
ねばること30分。
一台の車(Vitz)が、前に止った。
女:「どうぞ~」
優しそうな女の人が笑顔で迎え入れてくれた。
10:52
6組目
女:「どうぞ~」
とにかく優しさが顔ににじみ出たきれいな女性が笑顔で迎え入れてくれた。
「どうぞ~」の角度がミスタービーンのパターゴルフノ話ででてくるおばさんと全く同じだった。
浜松在住の木村さん。40歳、女性、訪問看護の看護師。岐阜の実家に帰る途中だった。
ヒッチハイカーにもともと興味があり、一度乗せてみたかったとのこと。
いつもタイミングが合わず乗せるのは今日が初めてなんだとか。
とにかくラッキーだったが、自分が何者かなど一切疑うことなく、
「どうぞ~」の一言で迎え入れてくれるこの綺麗な人は何者なんだ?
危ない宗教かなんかの勧誘か?道連れ自殺でも考えているのか?
とこっちが少し疑ってしまった。
「話好きだからうれし~。患者さんとのネタにする~。何台目~?
どんな人が乗せてくれたの~?えっ?不動産の人?(キャデラック)相談したいかも~。
いいな~。増税前に家を買うかどうか迷ってるの~。ずっと付き合ってる人はいるんだけど、
もう年も年だし、子供はあきらめてて~。」
日本は平和でした。
暇つぶしやこうした人生相談に付き合いつつ、自分は目的地まで行くことが出来るという
このwinwinの関係に
可能性を感じた。
緑!山!大地!
静岡から岐阜にかけての景色は心洗わせる絶景で自然の迫力が満載だった。
12:17 養老SA着。(乗車距離約134キロ)
![]()
乗車時間は今までで最長だった。こんなにも優しくしてくれて、
一番おしゃべりしたにも関わらず、写真を撮らなかったことが無念でならない。
13:11養老SA開始
朝ドラの影響から岐阜のイメージは温泉よりも五平餅だった私は、
SAで真空パックのお土産用を2本購入し、さらに西へ向かうべく、ヒッチハイクを再開した。
木村さんとの時間が快適すぎて、気持ちが満たされていたからか、知らぬおじさんが
「がんばれよ!」とカフェラテを差し入れしてくれたためか、
なかなかヒットしなくてもあまり苦にならなかった。
開始から1時間10分経過したとき、
ヒゲ:「乗る?」
怖ヒゲの男性が話しかけてきた。
7組目
14:21 養老SA出発
ヒゲ:「乗る?」
怖ヒゲの男性が話しかけてきた。
車に向かうとピッカピカのBMWが止まっていた。
5,60代。怖ヒゲ。元自衛官から飲食行業に転職。
今はゴルフ三昧で今日も岐阜からゴルフ に向かっている途中。
眠いから話し相手になってほしかったとのこと。
広島方面に向かっていることを話すと、
現役時代は厳島神社の鳥居の下を船で通ったりしたんだとか。
容姿が怖いことから若干話すのもためらいがあったが、
いろいろクエスチョンをしていると、国のお金で特殊免許を
いろいろ取得できた話をはじめ自衛官の年金事情など
裏話を教えてくれてためになった。(ほとんどもう忘れた。)
五平餅を買ったことを話すと、地元民はとりわけ食べないということや、
一回食べればもう十分というあまり聞きたくない事実を食べる前に伝えられたが、
1時間以上乗せてくれてうれしかった。
15:26大津サービスエリア着。(乗車距離約92キロ)
![]()
暗くなることを見越し、せっせとトイレ休憩を済ませSA内を探索することなく、
すぐにヒッチハイクを再開した。
大津SAは駐車場の構造上、利用客には目立つのだが、
邪魔にならずにヒッチハイクができる場所が難しく、
ぶらぶら歩いていたら、数十分で運転席から2枚目の男の人が話しかけてきた。
2枚目:「お兄さーん。どこまでですか?」
自分:「広島方面になんですけど」
2枚目:「途中までなら。あと、小さい子いるんだけど、問題なければ!」
8組目
15:39 大津サービスエリア出発
親子3人の家族だった。30代前半の若い夫婦に娘のゆいちゃん(きりん組)
若くて2枚目の優しそうな夫のとにかく強い方言と、
社内で加湿器を使ってたのが印象的だった。
乗せてくれた動機をきくと、
2枚目:「なんか乗せてみたかった。」
妻は夫の気分に振り回されたのかなと思い、恐る恐る顔を覗いてみたが、
いやな表情は微塵も感じず、笑顔で迎え入れてくれた。
ただ、若干ゆいちゃんの表情は曇っていたのを忘れない。
車内での会話は昨今の保育園事情をはじめ、
自分たち3世代にわたる幼少期に見た子供番組についてで、
あっという間に時間は過ぎていった。
ただ、ゆいちゃんに何度お願いしても、
テレビの前でいつもマネしているというプリキュアの変身ポーズを自分には見せてはくれなかった。
16:23宝塚北インター到着。(乗車距離約66キロ)
![]()
いつかはこういうノリが合致した夫婦になりたいと心から思った。
ただ、どんなに手を振ってもゆいちゃんは反応してくれず、
最後の最後まで打ち解けられなかったことは忘れない。
日が沈みかけ、寒さも増したころ、ここで初めて同士と出会えた。
スケッチブックを持ち、紫色の目立つジャージを着た同い年くらいの男が
運ちゃんらしきおっさんに話しかけられていた。
チャンス!と思い走って近づいた。
年下で埼玉の国立大学に通う大学生だった。
リアクションの低さと口数の少なさから一切の愛想を感じなかった。
これでよくヒッチハイクできるなと思ったが、ヒッチハイクは2回目で、
前回は埼玉から北へ。今回は埼玉から南へ。
その通過点として四国に向かうんだとか。
自分は広島方面に向かっていることを前歯のない運ちゃんに伝えると、
時刻や方角、他の運ちゃんたちの利用者数や利用率などを総合的に判断し、
2人がヒッチハイクしやすいと思うPAまで乗せていってくれることになった。
9組目
17:11
17時32分 宝塚北インター出発
9組目にして初めてトラックに乗車。ごちゃごちゃでとにかく汚かったが、
なんとか助手席と後部座席の荷物の上に2人とも座れた。
やはり普通車に比べ高さがある分、景色をはじめドライブすべての迫力を感じた。
乗車直後には雨も降りだしほんとにラッキーだった。
17:55 淡河パーキングエリア下り到着(乗車距離約16キロ)
![]()
運ちゃん:「めし行く?」
自分:「はい!」
紫ジャージの同士「はい。」
なんと、この運ちゃん。タダで乗せてくれただけでなく、食堂でご飯まで奢ってくれた!
しかし、私はここでやってはならぬ失態を犯してしまったのだ。
券売機で生姜焼き定食を選んだ運ちゃんは
「なんでも(頼んで)いいよ!」と快くいい、
紫ジャージの同士はから揚げ定食を選択、
自分は悩んだ結果ロースカツ定食に決めた。
チケットを順にカウンターで店員に渡し、
料理ができるとピーピー音が鳴るポケベルを受け取り席に着いた。
自分は席に着く途中、
給水機からセルフサービスの温かいお茶を人数分用意し持っていった。
年上で、かつ、ご馳走してもらうなら当然すべきことをやってのけた自分は
紫ジャージよりも運ちゃんに好印象を残せ、謎の戦いに勝った気持ちでいた。
チケットを渡し数分後、生姜焼きとから揚げ定食のベルがピーピー音を鳴らした。
一方、、、、
自分は、、、、、、、、、、、、、、、、、、
ぜーーーんっぜん、ベルがならなかった!!
なんとも個性的な箸の持ち方で獣のように食べ進める運ちゃん。
そして、とにかく食べるのが早い紫ジャージ。
![]()
さらに待つこと数分。ようやく自分もピーピー音が鳴り、頬張り始めたのだが、
既に2人は楊枝でほじほじしていた。
![]()
ただでさえ食べるのが早くないのに料理も最後に到着した自分。
早く店を出たいような圧をかけてくる前歯。
相変わらず無口な紫。
こうして初めて、ロースカツを咀嚼せずに飲み込むというカツの無駄食いを経験した。
メインのおかずが咀嚼しないで消えた分、白飯は味噌汁と漬物で片付ける羽目となった。
せめて、、、せめて、運ちゃんに前歯がちゃんとあれば、
その分のほじほじタイムでカツと白飯を味わって食べることが出来たのに。。。。
この失態でお茶の提供で与えたと思われる好印象は見事に相殺、
むしろマイナスの印象を残した。
学び:奢られる身は奢る人より長く食べることべからず
18:28ヒッチング再開
理想的な胃袋の満たされ方とはだいぶ異なっていたが、
食欲は落ち着き、あとは今夜の宿探しだけが問題だった。
淡河PAはドライバーの出入りは盛んでシャワー施設まで完備しているものの、
一夜を明かすスペースは備わっておらず、とりあえず先に進みたかった。
PAの入り口で斜めから降る雨に打たれながら「広島」と書いたスケッチブックを持っていると、
若くてスラっとした無償ヒゲの運ちゃんが近づいてきた。
若:「広島?」
10組目
18:44
若:「広島?」
自分:「はい」
若:「ごはん食べた?今からそこ(食堂)で食べるんだけど、
その後でもいいなら乗せるよ!20分くらいかな。」
入り口付近で待っていることを約束し、
他のドライバーに話しかけられぬようにフリップをカバンにしまい、
PA内を行ったり来たりしてそわそわしながら待っていた。
20分経過。
戻ってこない。(◎_◎;)
これは、はめられたのか?
実はドライバー界隈ではやっているヒッチハイカーへの嫌がらせだったりして?
など悪い考えばかりが脳裏を過り、
あきらめてカバンからフリップを取り出そうか何度も何度も迷っていたところ、、、、
戻ってきた!
トラックの前まで行くと、顔の部分はぼかすからインスタに載せたいといわれ、
スケッチブックを持って一枚パシャリしてから乗車した。
19:15淡河パーキングエリア出発
若:「雨の中かわいそうに。初めて乗せるよ。1回乗せてみたかったんだけど、
なんかタイミング合わなくてね。」
はじめさん。30代前半。静岡のバラ農家出身。実家を継ぎたくないが、
やりたいことも特になく、高校時代の教師の薦めで九州の大学に入学。
一般企業に就職はしたものの、ドライバーに転職。
実家は継がずに4大を出たにも関わらず、結局、誰でもできる仕事(※本人の言葉を参照)に
就いていることに罪悪感を抱いていた。
非常に若々しくみえたことを伝えると、職業柄、童顔だと舐められやすく、
若く見られるのが悩みらしい。
大学時代にサークルで出会った彼女と20代前半で結婚。子供なし。
若くして結婚したことを後悔していた。
初めて会った見ず知らずの人だからこそ、
周囲には決していえない心の内にある気持ちを素直に吐き出せるのかもしれない。
そんなことをヒッチハイクは私に教えてくれた。(ドヤッ!)
はじめ:「スマホの充電大丈夫?コードあるよ。使っていいよ。疲れてるでしょ。寝ていいよ!」
外を見ると、寒さで次第に雨は雪に。
優しい兄さんでホントに良かった。
乗せてもらっておいて一人だけ寝るのはさすがにまずいとの思いと、
マニュアルの重量トラックによる悪天候かつ暗闇の山道をポケモンGOを
2台同時にやりながらの運転だったので、恐ろしくて眠りたくても眠れなかった。
自分:「運転中はラジオ派ですか?音楽派ですか?」
はじめ:「最近は何も聞かない。聞いてた時期もあったけど、今は運転の音を聞いてる。」
自分:「運転の音。。。。。。」
満腹状態での温かい車内は旅の疲れをどっと誘発させ、、気が付くと。。。。ZZZZZZZZZZ
![]()
![]()
23:19 宮島サービスエリア着。(乗車距離約299キロ。)
福岡までなら乗せれるといわれたが、厳島神社に向かうため、ここで降ろしてもらうことにした。
はじめさんはこのままちょっと休憩して福岡まで向かうといい、別れた。
SA内に入ると夜中だったが観光客らしき人が多数おり、
椅子で寝ている人もちらほらいたのでここで就寝。
3日目
6:22
空も明るくなり、人の行き来が増えたことからヒッチング再開。
暖房で寒くはないものの、明るい室内で椅子に座ったまま寝るのは容易ではなかった。
というより寝れなかった。
外に出てみると朝日を見るため鳥居の前に人が集っていた。
![]()
![]()
そこで2人の青年に話しかけた。
自分:「すみません。宮島のフェリーってここからどれくらいかかりますかね?」
2人:「ヒッチハイクですか?送りましょうか?」
11組目
6:33宮島SA出発
18才19才の若人2人+車内で寝ていた若人1人(職業 鳶職)
地元で働いており、たまたま仕事が休みで朝日を見に宮島SAまで来たんだとか。
若人:「景色どうですか。宮島は美人の横顔っていわれてるんですよ。この角度!」
車を走らせながらいろいろ説明してくれた。
若人:「牡蛎とかもみじ饅頭。お好み焼きおいしいですから楽しんでください。」
7:00宮島フェリー場到着(乗車距離約8.5キロ)
![]()
その後は、2、300円でフェリーに乗り、宮島へ。
用賀のローソンからスタートし、かかること約43時間。
こうしてようやく目的地に到着した。
![]()
続く
![]()
![]()
卒業旅行に一人ヒッチハイクとやらをした話③ (用賀〜静岡〜広島)
(カテゴリなし)